定期演奏会


オーケストラの定期演奏会。本番。上の写真は会場入り口の立て看板。
結成して10年目。第8回の定期演奏会。出演します。
リハーサルの写真がこれ。断片だけど。

結成したのは、1999年の5月。地元に自分がつくりました。
住民層が都会とは違うのは当然だけど、周辺人口の割りにオーケストラが少なすぎる。
そんな憤りに似た思いでもって、友人と3人で結成を決意。10年目を迎えた今でも20人足らずの室内オケですが、継続してるのがオモロイなぁ、と思っています。
老若男女、職業も雑多。女子中学生が在席したこともあったし、60を過ぎてからチェロを始めた方も。
60過ぎてチェロを始めたMさんは、毎週日曜午前の練習に欠かさず出席。軽トラの荷台にチェロを乗っけて。
「下手くそでご迷惑を掛けてます。」といいつつも、練習毎に弾けるようになってます。定期演奏会の出演も、「ご迷惑おかけするので遠慮します。」と。
でも、アマオケは上手い下手ではなく、出席率が偉い偉くないの基準だと信じる我々は、是非とも出演すべきと説得。躊躇しながらも決意したMさんは、一生懸命に練習デス。
口の悪い団員は、好意をこめて「今出演しておかないと、いつお迎えがくるかもわからないよ。」と、軽口をたたいたり。
そんなMさんが定期演奏会に初出演されたのは、確か3年程前の定期演奏会でした。
「ご迷惑を…」といいつつも、家族のかたも客席にいらしたようでした。
そのMさんは、その定期演奏会後の夏、身体の具合を悪くしたようでしばらく欠席が続き、手術をされたとか。
しばらく顔をみないなぁと心配していたところ、届いたのは訃報でした。癌だったようです。
「本当にお迎えが…」
無理強いかなと思った出演も、良かったかな。と、思っています。
亡くなった彼の部屋には、ケースから出したままのチェロと、次回の演奏会の楽譜がのった譜面台があったそうです。
彼の家族は、毎回の演奏会に観客として来てくれています。いつも、美味しいお菓子を「皆さんで」と、受付に届けてくれます。
今年は、イチゴがまるまる一個はいった桜餅でした。今まで食べたなかで一番美味しい桜餅でした。
彼のお葬式には、団員何人かで出席しました。30前後の女子何人かが最後列で列席しみんな涙を流していました。一人は子供を抱いていました。
そんな女子達をみて、怪訝そうに見ていた遺族の方がいたのを覚えています。
今では誤解はないのでしょうが。