開発と製造と設計

開発は、まだ世の中にないあたらしいモノ(価値あるモノ)をつくりだすこと。
製造は、価値を実体へつくりこむこと。
設計は、モノのつくりを形式知化したもの。形式知化すること。

開発は一個目の製造である。同じモノを複数つくる場合には、開発後に2個目を製造するための設計が必要。開発のアウトプットは、つくられた一個のモノとその設計。設計が製造のインプットになる。一個目の製造が(繰り返される試作あるいは試行錯誤の末に)完了した後に設計が確定される。

一品モノならば、設計は要らない。開発して終わり。モノはそこに一個ある。

ソフトウェアは一品モノ。つくりっぱなしならば設計は要らない。さらに2個目が欲しくてもコピーは簡単にできる。設計はいらない。
しかし、変更され続けるのが常。今使用されているソフトウェアも変更の必要にさらされ続けている。だから設計が必要。開発完了後の開発のために。

そして、ソフトウェアの実体はコード。コードは設計である。
だから、ソフトウェアの開発は製造と同時に設計がなされているのだ。

コードを書くことはまだ世の中にないあたらしいモノ(価値あるモノ)をつくりだすことであり、価値を実体へつくりこむと同時に、コード自体のつくりをコード自身によって形式知化することなのだ。