第5章原則つづき
- 安全性
- 達成感
- 所属意識
- 成長
- 親密さ
マズローの欲求説っぽくあげられている。開発者には限らないだろう。人だし。
ビジネスと個人の両方の要求の調和。がXPのプラクティス採用の理由としてあげられている。欲もあり意地もある人間は、見栄もあり意地は誇りもある。人が人を尊重しあうことで、人は最大の能力を発揮する。
単純な作業者にもカイゼンというチャンスを与えられることで、職場における安全性、達成感、所属意識、成長、親密さを自ら獲得することができるのだ。
- 経済性
明日の1ドルよりも今日の1ドル
最遅着手の根拠の1つにあたると思う。最遅着手によって設計その他の活動に対する投資は遅らせることが可能になる。しかし、最遅着手が可能になるためには、リードタイムを短縮するだけのカイゼンがなされなければならない。
なぜ、リードタイムを短縮する必要があるのか?納期は顧客が決定する。市場において競争優位を保てる納期は、その根拠に短リードタイムが無ければならない。
- 相互利益
そう、関係者全員の利益。give & take よりも win-win ってことか。相互に利益を得るためには、相互の立場を知ることが必要。下請け元請けや親会社子会社の関係もそうでしょう。
この本の ↓
- 作者: 松井順一
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- 自己相似性
- 改善
↓ Kaizen ではなく、Improvement なのですね。
Extreme Programming Explained: Embrace Change (XP Series)
- 作者: Kent Andres, Cynthia Beck
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- 開始するために完全性を待つわけではない。
- 完全性を待たずに、改善を作業に盛り込まなければいけない。
↑ この辺が、進行管理っぽい。
- 出発点を見つけ、開始し、そこから改善してほしい。
『あるべき姿と現在の姿の差、それが問題である。その問題を解決することが改善である。』
なんてやってしまうと、出発点は延々見つからない。現状調査をやっている間に現状は変わる。ターゲットも変わる。改善のタスクが向こう1年間分挙げられ、やっと始まっても進捗管理のみmが実施され、動くターゲットからは離れ続けている。なんてことがざらに起こる。
『ありたい姿、めざす姿をイメージし、共有し、それに向かってまずスタートするのだ。』
スタートすれば、過去はそれほど問題にならない。ときどきふりかえればよい。めざす姿に向かっていること。向かうための行動が実施されていればよい。
前に向かって。
前を向いているから、ふりかえり、が出来る。
前を向いていなければ、うしろむき、になってしまう。
- 多様性
スキルや能力、経験のバラつきがあることを前提としている。だから標準化するのだ。標準化は出る釘を打つことではない。
能力をもった人の知恵を活かし共有し、チームの能力を引き上げるため。個性を持った人を尊重しなければならない。
- 反省
ある(元)トヨタ系の人の話。
『反省なんてしたことないね。反省してどうすんの?もう終わったことじゃん。そりゃ、問題はキッチリ解決して、再発防止するけどね。』
つづけて、
『でも、良かったことを探すってことはいっぱいやったよ。キツイときにはそれを思い出すの。』
- フロー
一個流しや在庫レスに近い考え方が示されている。もとにある考え方はJITや自働化。
顧客が必要なもののみを作る。品質を作り込む。
もっとも、生産ラインでも完璧に一個流しが実現されているわけではない。ロットというものは存在する。ただし、サイズは最小限に。後工程(お客さま)が必要なだけ。
フローについては ↓ をちゃんと読みます。勉強します。(まだ、読みかけ)
- 作者: DavidJ. Anderson,宗雅彦,前田卓雄
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- 機会
問題を変更の機会として捉えるべきである。
そう、そして問題に至る前の異常も変更の機会。カイゼンの機会。
正常と問題(不良)の間にあるのが異常。異常はまだ問題には至っていない。
-
- 生産機械は異音を発しているが、まだ不良品を出すに至っていない。
- 開発者は目にクマをうかべているが、まだバグを作りこむことなくプログラムをつくり続けている。
そして、正常な状態がわかるから異常がわかる。そのための標準。標準は遵守するためのものではなく、いつもと違うことがわかるための基準みたいなもの。個人知でなく組織知であればよい。暗黙知でもかまわないが、組織知にするためには、形式知にしたほうが、より容易。
顧客へ不良を届ける前に異常を見つけることでカイゼンが出来る。
チームの能力・価値が上がる。
異常が無ければ、異常を見つけられるようにより基準を厳しくするのがTPS流。
『かんばん一枚抜け!』といわれるように。
そして、自らカイゼンの機会を得るのだ。