最遅着手

平鍋さんがブログで「TPSとAgile」のシリーズを開始された。
TPS と Agile(1) - Process と Meta-process, 遅延着手とENUF:An Agile Way:オルタナティブ・ブログ

『最遅着手』とは、納期に間に合うギリギリの線まで、仕事に手をつけないこと。
TPS的にもAgile的にも有効な考え方だと感じられるだろうが、これをやろうとしたとたんに実はやらなきゃいけないことが見え始める。

  • この仕事の本当の納期はいつか?
  • この仕事にかかるリードタイムは?
  • この仕事にかかる工数は?
  • この仕事に必要なスキルは?
  • そのスキルを保有しているのは誰か?

納期とリードタイムと工数は違う。
納期は顧客が必要としている時期で顧客が決めるもの。そして本当の納期は顧客との良好な関係が築けていないと知ることはできない。また、顧客も本当の納期を知らないことが多い。
リードタイムは着手してから完了するまでの時間のこと。この時間には待ち時間(レビュー待ち、承認待ち、テスト待ちなど)も含む。単位は時間
工数には待ち時間は含まない。単位は時間×人
そもそも リードタイム<納期 でないと納期に間に合わないため、最遅着手どころか即着手しないと納期遅れになる。また、リードタイムが見積もれないと着手点が見積もれない。
リードタイムを短縮しないと(遅い時期に着手できないので)最遅着手のメリットが得られない。そのためにはバリューストリームマップで表される待ち時間を短縮しなければならない。 などなど…。

結局、最遅着手のメリットを享受するためには、チームのレベル(仕事に対する管理レベル)を上げていかないと、実践すらできない。

チームが今どんな仕事をもっていて、どんな状態かを知ろうとすることをまずは始めないと…。